「できない人」の一覧を見て、自分がいくつか当てはまる気がした——そこで止まってしまう方は少なくありません。
ただ、この一覧には性質のまったく違うものが混ざっています。 体質によって受けられないものと、順番を整えれば受けられるもの、そして受けられるけれど変化しない部分があるもの。この3つを分けると、当てはまった後にできることが見えてきます。
「できない」には3つの意味がある
まず全体像です。
| 種類 | 意味 | 次の一手 |
|---|---|---|
| ①受けられない | 体質や歯の状態によって、薬剤を使う処置が適さない | 代わりの手段を検討する |
| ②今は受けられない | 先に片づける治療や、待つべき時期がある | 順番を整えてから進む |
| ③受けられるが変わらない | 処置自体は受けられるが、その部分の色は薬剤では動かない | 別の手段が担当する |
多くの一覧では、この3つが並列で書かれています。ところが読者にとっては意味がまったく違います。②は順番の問題ですし、③は「できない」ではなく「担当が違う」だけです。
順に見ていきます。
①受けられない場合
体質や歯の状態によって、薬剤を使う処置が適さないケースです。
無カタラーゼ症。 カタラーゼという酵素が働かない体質です。ホワイトニングの薬剤は分解して作用しますが、その過程で生じたものを処理する働きに関わるため、この体質の方は対象から外れます。代わりにできるのは、表面の着色を落とすクリーニングです。 着色が原因の黄ばみであれば、この範囲で変化を感じられます。
妊娠中・授乳中。 安全性が確立されているとは言えないため、この期間は避けるのが一般的な扱いです。時期を待つという選択になります。 その間はクリーニングで着色を管理しておくと、再開したときの出発点が良くなります。
重度の知覚過敏。 薬剤の作用でしみる症状が出やすくなるため、症状が強い状態では進められません。ただし、知覚過敏の治療を先に行うことで受けられるようになる場合もあります。 その意味では②に近い性質を持ちます。症状の起き方はホワイトニングで知覚過敏になるのはなぜ?2つの経路と経路別の対処で解説しています。
エナメル質の形成不全。 歯の表面が十分に作られていない状態です。薬剤がしみやすく、色の変化もムラになりやすいため、覆う手段が候補になることがあります。
いずれも、自分で判断できるものではありません。 診察で確認したうえで、代わりの手段を相談する形になります。
②先に片づければ受けられる場合
こちらは順番の問題です。道が閉じているわけではありません。
未治療のむし歯。 穴があいた部分に薬剤が入ると、内部にしみて強い痛みが出ることがあります。先に治療を済ませてから進みます。詳しくは虫歯があるとホワイトニングはできない?治療との正しい順番を解説にまとめました。
歯周病。 歯ぐきに炎症がある状態では、薬剤の刺激を受けやすくなります。歯周病の治療を先に行い、落ち着いてから始めます。この治療は保険が使える場合があります。
歯にひびや欠けがある。 そこから薬剤が内部へ入りやすくなります。修復を済ませてからになりますが、その場合は③の話(人工物は色が変わらない)も関わってくるので、色の順番を含めて相談することになります。
矯正装置がついている。 装置の下には薬剤が届かないため、外した後に色が違って見えます。取り外せる装置なら扱いが変わります。装置別の可否は矯正中にホワイトニングはできる?装置別の可否とベストなタイミングを解説で整理しています。
歯の成熟が途上にある。 生えてから間もない歯は内側の部屋が大きく、薬剤の刺激が伝わりやすい傾向があります。年齢で一律に線が引かれているわけではなく、歯の成熟の度合いで判断されます。 詳しくは高校生のホワイトニング|年齢ではなく「歯の成熟度」で決まる理由にまとめています。
この②に該当した場合、聞くべきなのは「いつなら受けられるか」です。 治療にかかる期間と、その後のスケジュールが分かれば、計画が立てられます。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
③受けられるが、その部分は変わらない場合
ここは「できない」と書かれがちですが、意味が違います。処置そのものは受けられます。 ただ、特定の部分の色が薬剤では動きません。
詰め物・被せ物・差し歯・インプラント・セラミック。 これらは人工の材料なので、薬剤の作用を受けません。天然の歯だけが明るくなるため、進めるほど差が広がって見えます。
だからといって、やっても無意味ということにはなりません。順番としては、天然の歯を先に明るくしてから、人工物の色をそこに合わせ直すという流れが一般的です。この考え方はインプラントがあるとホワイトニングはできない?順番と維持で考えるにまとめました。
神経を失った歯。 内側から変色している場合、外側から薬剤を塗る方法では届きません。歯の内部に薬剤を入れる別の処置が候補になります。周りの歯を明るくしてから、この1本を合わせにいく形が扱いやすくなります。
薬の成分による変色。 歯が作られる時期に取り込まれた成分が原因の変色は、象牙質の中にあります。薬剤による変化が小さくなる傾向がありますが、程度によって見通しが変わります。詳しくはテトラサイクリン歯のホワイトニング|変色の層と、程度で変わる見通しで解説しています。
③に共通するのは、薬剤の担当範囲の外にあるという点です。担当が違うだけなので、別の手段が用意されています。
自己判断が難しい理由
ここまで読んで、自分がどれに当たるか見当をつけた方もいると思います。ただ、自己判断には限界があります。
初期のむし歯は自覚がありません。 痛みが出る前の段階では気づきにくく、鏡でも見えない場所にあることがあります。
しみやすさの程度は主観です。 「よくしみる」と感じていても、診てみると原因が別のところにあり、対処すれば進められることもあります。逆に、自覚がなくても受けられない状態のことがあります。
人工物の位置は把握しにくいものです。 前歯の裏側や、色を合わせた材料で修復した部分は、自分では見分けがつきません。
確定は診察によります。 一覧に当てはまる気がしたとしても、それが受けられない理由になるとは限りません。まず診てもらってから判断するほうが、遠回りになりません。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
該当したときに聞くこと
診察で条件に当たると言われた場合、その場で確認しておきたい項目です。
どの種類にあたるのか。 体質によるものなのか、順番の問題なのか、担当範囲の話なのか。ここが分かれば、次に何を考えるかが決まります。
条件が外れる見込みはあるか。 ②であれば、治療にどのくらいかかるのか。①でも、時期を待てば変わるものかどうか。
代わりに何ができるか。 クリーニング、内部からの漂白、色を合わせ直す方法、覆う方法。目的に応じた手段が用意されています。
いつ再検討すればよいか。 「また相談してください」で終わらせず、目安の時期を聞いておくと動きやすくなります。
ホワイトニングができない人に関するよくある質問
しみやすい体質だと断られますか
しみやすさの程度によります。症状が強い場合は先に対処が要りますが、軽い場合は濃度を下げる、使用時間を短くする、知覚過敏を抑える材料を併用するなどの調整で進められることがあります。自己判断で諦める前に、症状の出方を伝えて相談してみてください。
妊娠中は本当にできないのですか
妊娠中・授乳中は、安全性が確立されているとは言えないため避けるのが一般的な扱いです。この期間はクリーニングで着色を管理し、時期が来てから薬剤を使う方法を検討する、という進め方になります。
詰め物が多いと、やっても意味がないですか
意味がないということにはなりません。天然の歯が明るくなれば、その後に人工物の色を合わせ直すという選択ができます。ただ、前歯の広い範囲が人工物という場合は、先に色の設計を相談したほうが遠回りになりません。どの順番で進めるかは診察で決まります。
福岡で受けられるかどうかを確認するにはどうすればいいですか
歯科医院で口の中の状態を診てもらうところからです。むし歯や歯ぐきの状態、人工物の位置、しみやすさの程度を確認したうえで判断されます。無料でカウンセリングを受けられる歯科医院なら、費用が発生する前に確かめられます。オンラインでの診察に対応しているところなら、相談のハードルもさらに下がります。
まとめ|「できない」で止まらなくていい
ホワイトニングの「できない」には、3つの意味があります。
①体質や歯の状態で受けられない。 無カタラーゼ症、妊娠中・授乳中、重度の知覚過敏、エナメル質の形成不全。この場合はクリーニングや、時期を待つという選択になります。
②今は受けられない。 未治療のむし歯、歯周病、ひびや欠け、矯正装置、歯の成熟が途上。これは順番の問題で、片づければ道が開きます。
③受けられるが、その部分は変わらない。 人工物、神経を失った歯、薬の成分による変色。「できない」ではなく、担当が違うだけです。
そして、どれに当たるかを自分で確定するのは難しいという点も押さえておきたいところです。一覧に当てはまる気がしても、診てみると進められることは珍しくありません。
まずは診察で、自分がどの種類なのかを確認してみてください。そこから先の手立ては、種類ごとに用意されています。
福岡博多矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニングジェルと知覚過敏抑制剤をご自宅にお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方はご来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過は24時間LINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング(国内で承認された薬剤を使用)
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:使用中や使用後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・詰め物・被せ物・差し歯などの人工物は薬剤では白くなりません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
