全体は明るくなってきたのに、歯と歯ぐきの境目のあたりだけ色が濃く残っている。むしろ前より目立つ気がする——ホームホワイトニングを続けていると、よく出てくる悩みです。
理由は1つではありません。4つあり、そのうち1つは薬剤では変えられない場所です。どれに当たるかで対処が変わるので、順に切り分けていきます。
根元は、もともと白くなりにくい場所
前提から。歯の色は、表面のエナメル質と、その下にある象牙質の組み合わせで決まります。エナメル質は半透明で、象牙質は黄みを帯びています。
そして、歯ぐきに近い部分(歯頸部)は、エナメル質が薄くなっています。 歯の中央付近と比べると差があり、そのぶん下の象牙質の色が透けやすくなります。
つまり、根元は元から色が濃く見える場所です。ホワイトニングを始める前から差があり、それが気づかれていなかっただけ、ということもあります。
そしてもうひとつ。全体が明るくなるほど、根元との差は相対的に目立ちます。 変化が進んだからこそ気になり始めた——という順序であることが少なくありません。
歯質そのものによる色の差については生まれつきの歯の黄ばみ|3つの状態に分けて、変化の余地を考えるで扱っています。
理由は4つに分かれる
そのうえで、根元に色が残る理由を整理します。
| 理由 | 何が起きているか | 薬剤で変わる余地 |
|---|---|---|
| ①構造 | 歯頸部はエナメル質が薄い | 働きかけうるが、上限は低め |
| ②届いていない | マウスピースの縁が短い/薬剤の量が足りない | 調整で変わる |
| ③根面が露出している | 歯ぐきが下がり、エナメル質のない部分が見えている | 変わらない |
| ④着色 | 境目に色素が残っている | クリーニングで落ちることがある |
②と④は自分で確かめられます。①と③は診察が要ります。順に見ていきます。
理由①——歯頸部はエナメル質が薄い
先ほど触れた構造の話です。
エナメル質の厚みは歯の場所によって違い、かむ面や中央付近に比べて、歯ぐきに近づくほど薄くなります。 薄いところでは、下にある象牙質の色が強く出ます。
薬剤はここにも働きかけますが、到達できる明るさはエナメル質の厚みと象牙質の色で決まっています。 薄い部分ほど上限が低くなるため、中央付近と同じところまでは届きにくいのが実際です。
これは使い方の問題ではありません。構造上そうなるということです。ただし、まったく変わらないわけでもありません。時間をかければ、差が小さくなることはあります。
理由②——薬剤が届いていない
ここは調整で変わる部分です。2つの原因が考えられます。
マウスピースの縁の位置。 マウスピースは、歯ぐきを傷めないよう縁の位置を調整して作られます。縁が短ければ、根元の一部に薬剤が届きません。 逆に、縁を歯ぐきにかぶせすぎると、薬剤が歯ぐきに触れて白濁や刺激感の原因になります。設計上のバランスの問題です。
薬剤の量と入れ方。 量が少ないと、装着したときに歯の全面に行き渡りません。逆に多く入れれば良いというものでもなく、はみ出して歯ぐきに触れます。歯1本あたり米粒より小さい程度を、歯の面に沿って置くのが目安です。入れる位置が歯の中央寄りに偏っていると、根元まで広がらないことがあります。
確認方法はシンプルです。 マウスピースを装着した状態で鏡を見て、縁がどこまで来ているかを確認してください。歯ぐきとの境目より手前で止まっているなら、そこから先には薬剤が届いていません。1日の手順はホームホワイトニングのやり方|1日の手順と、その理由をあわせて解説にまとめています。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
理由③——歯ぐきが下がって根面が露出している
これが決定的な理由です。
歯は、歯ぐきから上に出ている部分と、その中に埋まっている部分で構造が違います。歯ぐきの中にある部分(根面)は、エナメル質に覆われていません。 セメント質という薄い層と、その下の象牙質でできています。
歯ぐきが下がると、この根面が口の中に出てきます。そして、露出した根面は薬剤では白くなりません。 エナメル質を通して内部に働きかける、という前提が成り立たないためです。
見分けの手がかりを挙げます。
境目に段差を感じるか。 舌先や爪でなぞったときに、歯の面がわずかに凹んでいる、あるいは質感が変わる場所があれば、根面が出ている可能性があります。
その部分がしみるか。 根面はエナメル質に守られていないため、冷たいものがしみやすくなります。しみる症状の起き方はホワイトニングで知覚過敏になるのはなぜ?2つの経路と経路別の対処で解説しています。
色の境目がはっきりしているか。 構造による差(理由①)はなだらかに変わりますが、根面の露出はもう少しはっきりした境目として現れることがあります。
なお、露出した根面には別の注意点もあります。エナメル質より軟らかく、むし歯になりやすいという性質です。色の相談と一緒に、状態を診てもらう価値があります。
理由④——着色が残っている
最後は、落とせるものが残っている場合です。
歯と歯ぐきの境目や、歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくく、着色が残りやすい場所です。ここに色素がたまっていると、根元だけ濃く見えます。
これは歯そのものの色ではないので、歯科医院のクリーニングで落ちることがあります。
順番としては、まず落としてから、残った色を見るのが確実です。着色が乗ったままだと、薬剤がどこまで働いたのかも読めません。加えて、表面に汚れが残っていると薬剤が均一に触れられず、それ自体がムラの原因になります。
ムラという現象の全体像はホワイトニングの失敗とは?4つの現象に分けて原因と対処を解説にまとめました。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
自分で確かめる順番と、相談する内容
上から順に確かめてみてください。
①マウスピースの縁の位置。 装着した状態で、縁が歯ぐきとの境目まで来ているか。手前で止まっていれば、理由②です。
②薬剤の量と置く位置。 歯の面に沿って置けているか。中央寄りに偏っていないか。
③境目の段差としみる感じ。 なぞったときに質感が変わる、冷たいものがしみる。当てはまれば理由③の可能性があります。
④クリーニング後の変化。 表面を落として印象が変わるなら、理由④の割合が大きかったということです。
そのうえで相談するとき、伝えると話が早い項目があります。使っている期間、薬剤の濃度、1日の装着時間、そして「どの部分がどのくらい残っているか」。 全体の色と根元の色を分けて伝えると、原因の見当がつきやすくなります。
全体が進まない場合の切り分けはホームホワイトニングで白くならないとき|4段階で原因を切り分けるにまとめています。
ホームホワイトニングの根元の黄ばみに関するよくある質問
続けていれば、そのうち根元も追いつきますか
理由によります。②(届いていない)が原因なら、調整すれば変わります。①(構造)なら時間をかけて差が小さくなることはありますが、中央と同じところまでは届きにくいのが実際です。③(根面の露出)であれば、続けても変わりません。まず原因を切り分けてください。
マウスピースを長く作り直してもらえますか
縁の位置は、薬剤が歯ぐきに触れないよう配慮して決められています。伸ばせるかどうかは歯ぐきの状態によるため、そのまま延長できるとは限りません。ただ、現状で届いていないことを伝えれば、設計を見直す判断につながります。
根元がしみるようになりました
根面が露出している場合、もともとしみやすい部分です。そこに薬剤が触れると症状が出やすくなります。24〜48時間を過ぎても続く、あるいは日常生活に支障が出る強さであれば、使用を止めて処方を受けた歯科医院に連絡してください。知覚過敏を抑える材料の併用や、濃度・時間の調整で進められる場合もあります。
福岡で相談するときはどうすればいいですか
根元の状態を診てもらうのが出発点です。歯ぐきが下がっているのか、着色が残っているのか、構造による差なのか。あわせて、その部分にむし歯がないかも確認できます。オンラインでの診察やメッセージでの相談に対応している歯科医院なら、通院を増やさずに使い方の見直しを相談できます。
まとめ|届いていないのか、届かない場所なのか
ホームホワイトニングで根元に色が残る理由は4つです。構造・届いていない・根面の露出・着色。
このうち調整で変わるのは「届いていない」と「着色」の2つ。マウスピースの縁の位置と薬剤の置き方を見直し、クリーニングで表面を落とす——ここまでは自分から動けます。
構造による差は、上限が低いという形で残ります。 歯頸部はエナメル質が薄く、象牙質の色が透けやすいためです。
そして、歯ぐきが下がって露出した根面は、薬剤では白くなりません。 エナメル質に覆われていないので、前提が成り立たないからです。この場合は色の手当てとは別に、むし歯や知覚過敏の観点からも診てもらう価値があります。
届いていないのか、そもそも届かない場所なのか。 ここが分かれば、続けるか使い方を変えるかの判断がつきます。
福岡博多矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニングジェルと知覚過敏抑制剤をご自宅にお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方はご来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過は24時間LINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング(国内で承認された薬剤を使用)
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:使用中や使用後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・詰め物・被せ物・差し歯などの人工物は薬剤では白くなりません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
