子どものころから歯の色を指摘されてきた。歯みがきは丁寧にしているし、着色というより元の色だと感じている——そういう方に向けた内容です。
「生まれつきだから変わらない」と書かれた記事もあれば、「ホワイトニングで白くなる」と書かれた記事もあります。食い違うのは、「生まれつき」という言葉に性質の違う3つの状態が含まれているからです。まず構造から整理します。
歯の色は2つの層で決まっている
歯を外側から見ると1枚の白い面に見えますが、実際は層になっています。
外側のエナメル質は半透明です。 完全な白ではなく、光をある程度通します。
その下の象牙質は、もともと黄みを帯びています。 これは異常ではなく、そういう組織です。
つまり、私たちが見ている歯の色は、半透明の層を通して、その下の黄みがかった層が透けている状態です。「歯の表面が黄色い」のではなく、組み合わせの結果としてそう見えていることになります。
この構造が分かると、次の点も理解しやすくなります。エナメル質が薄ければ下の色が強く出ますし、象牙質そのものの色が濃ければやはり黄みが強く出ます。同じ「黄色い歯」でも、原因の層が違います。
「生まれつき」には3つの状態が含まれる
ここが本題です。生まれつきの黄みには、次の3つが含まれます。
| 状態 | 見え方 | 薬剤が働く余地 |
|---|---|---|
| ①象牙質の色が濃い | 全体が均一に黄みを帯びる | 象牙質の色に働きかけうる |
| ②エナメル質が薄い | 下の色が強く出る。歯の先端が透けて見えることも | 働きかけうるが、上限は低めになりやすい |
| ③エナメル質の形成不全 | 白い斑点、まだら、表面のざらつき | 適応から外れることがある |
①と②は程度の差で、どちらも薬剤が働く余地を残しています。変化の幅は人によって違い、効果の感じ方には個人差があります。
一方、③は事情が異なります。エナメル質が十分に作られていない状態なので、薬剤がしみやすく、色の変化もムラになりやすいという性質を持ちます。そのため、薬剤による方法の適応から外れる場合もあります。受けられる条件の整理はホワイトニングができない人|「できない」を3種類に分けて考えるにまとめました。
自分がどれに当たるかで、進め方も見通しも変わります。
見分けの手がかり
診察を受ける前に、鏡で確認できることを挙げます。
歯の先端が透けて見えるか。 前歯の先のあたりが、灰色っぽく、あるいは透明感を帯びて見える場合、エナメル質が薄めである可能性を示します。②の手がかりです。
白い斑点やまだらがあるか。 周りより白く見える部分が点や線のようにある、表面がざらついている——こうした特徴は③に関わることもあります。
全体が均一に黄みを帯びているか。 部分的な差がなく、どの歯も同じような色みであれば①が疑われます。
家族に似た歯の色の人がいるか。 歯質の性質には個人差があり、家族で似ることも珍しくありません。判断の材料のひとつになります。
歯みがきやクリーニングで印象が変わるか。 変わらないなら、表面の着色ではなく歯そのものの色という見当がつきます。
ただし、これらは自己診断のための基準ではありません。 ②と③は見分けが難しく、両方が重なっていることもあります。確定は歯科医院での診察によります。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
着色が重なっていることも多い
もうひとつ、見落とされやすい点を挙げておきます。
生まれつきの色の上に、後から付いた着色が乗っていることが多いのです。コーヒーやお茶、色の濃い食べものによる着色は、歯の表面を覆うペリクルという膜に付きます。
これが乗っていると、下にある本来の色が読みにくくなります。 「生まれつき黄色い」と思っていたものが、実は着色の分をかなり含んでいた——ということも起こります。
だから順番が要ります。まずクリーニングで表面を落とし、残った色を見る。 ここで印象が変わるなら、着色の割合が大きかったということです。変わらなければ、歯そのものの色ということになります。
なお、歯周病の治療の一環として行うクリーニングであれば、保険が使える場合もあります。 自由診療の処置に進む前に、この段階を挟む価値は十分にあります。原因ごとの整理は歯の黄ばみを取る方法|原因別に「落とす・薄くする・覆う」で整理にまとめています。
薬剤で変わる余地はどこにあるか
では、①や②の場合に薬剤で何が起きるのか。
ホワイトニングの薬剤は歯の内部に浸透し、分解して生じた活性酸素が有機性の色素の構造を切り分けます。象牙質の色に対しても働きかけうるというのが、この方法の位置づけです。仕組みの詳細はホワイトニングの仕組み|薬剤が歯を白くするまでに何が起きているかで解説しています。
ただし、前提が1つ。到達できる明るさは、エナメル質の厚みと象牙質の色で決まっています。 薬剤や回数を変えても届く先は変わりません。
②のようにエナメル質が薄い場合、下の色の影響が強く出るぶん、上限が低めになりやすい傾向を持ちます。加えて、薬剤の刺激が伝わりやすく、しみる症状が出やすいことも起こります。濃度を下げる、使用時間を短くする、知覚過敏を抑える材料を併用するといった調整で進める形になります。
①の場合は、時間をかけて進めることで変化を感じられることもあります。自宅で低い濃度の薬剤を長く使う方法が採られやすく、この点は薬の成分による変色を扱う場合と似ています。詳しくはテトラサイクリン歯のホワイトニング|変色の層と、程度で変わる見通しにまとめました。
どこまで行けるかは、始める前の診察でおおよその見通しを聞けます。 費用をかける前に、それを確認しておくと判断がしやすくなります。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
年齢とともに強く見えるようになる理由
「昔より黄色くなった気がする」という感覚には、根拠が伴います。
エナメル質は年齢とともに薄くなる傾向を持ちます。 かむ力や歯みがきによって、少しずつ摩耗するためです。
象牙質は逆に厚みを増していきます。 内側に新しい層が加わっていくためです。
この2つが重なると何が起きるか。半透明の層が薄くなり、黄みを帯びた層が厚くなる。 結果として、下の色がより強く出るようになります。
つまり、生まれつきの黄みが年々目立って見えるのは、自然な変化の現れ方でもあります。ここを理解しておくと、白さを保つという発想につながります。ホワイトニングで得た明るさは永続せず、時間とともに戻り始めます。色を見ながら定期的に手を入れる形が、この体質とは相性がよくなります。
生まれつきの黄ばみに関するよくある質問
体質なら諦めるしかないのですか
そう決まっているわけではありません。象牙質の色が濃い場合やエナメル質が薄い場合でも、薬剤が働きかけうる余地はあります。ただし到達点には上限があり、変化の幅には個人差があります。まず自分がどの状態にあたるかを診てもらい、見通しを聞いたうえで判断してください。
歯の先が透けて見えるのは異常ですか
エナメル質の性質によるもので、それ自体が異常というわけではありません。前歯の先端は象牙質が薄いか存在しない部分があり、光を通しやすくなっています。ただし、透け方が強くなってきた場合は摩耗が進んでいる可能性もあるため、気になるようなら診てもらってください。
白い斑点は消えますか
薬剤で歯全体が明るくなると、周りとの差が小さく見えることがあります。ただし斑点そのものがなくなるわけではありません。表面の状態によっては、別の処置が候補になることもあります。まず何が原因の斑点なのかを確認するところからです。
福岡で見通しを聞くにはどうすればいいですか
歯科医院で、エナメル質の厚みや表面の状態、象牙質の色を診てもらうところからです。あわせて、どこまで変化しうるのかを聞いておくと、試す価値があるかを判断できます。無料でカウンセリングを受けられる歯科医院なら、費用が発生する前に確認できます。オンラインでの診察に対応しているところなら、通院の負担も抑えられます。
まとめ|諦める前に、どの状態かを確かめる
歯の色は、半透明のエナメル質と、その下の黄みを帯びた象牙質の組み合わせで決まります。「表面が黄色い」のではなく、下の色が透けて見えている——これが出発点です。
そして「生まれつき」には3つの状態が含まれます。象牙質の色が濃い、エナメル質が薄い、エナメル質の形成不全。 前の2つは薬剤が働きかけうる一方、3つ目は適応から外れる場合もあります。
見分けの手がかりは、歯の先端の透け方、白い斑点やざらつき、色の均一さ、家族の歯の色、クリーニングで変わるかどうか。ただし確定は診察によります。
そして、生まれつきの色の上に着色が乗っていることも多いという点も見逃せません。まず落としてから、残った色を見る。この順番で進めると判断がぶれません。
到達点はエナメル質の厚みと象牙質の色で決まりますが、その上限がどこにあるかは診てもらえば分かります。 諦めるかどうかは、それを聞いてからでも遅くありません。
福岡博多矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニングジェルと知覚過敏抑制剤をご自宅にお届けします。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング(国内で承認された薬剤を使用)
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:使用中や使用後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・詰め物・被せ物・差し歯などの人工物は薬剤では白くなりません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
