マウスピースは手元にある。薬剤だけ足せれば、一式を買い直さずに再開できる——そう考えるのは自然なことです。
結論を先に書くと、薬剤だけの追加はできます。 ただし条件があり、その条件は薬剤の側ではなくマウスピースの側にあります。ここを確認しないまま薬剤だけを手に入れても、目的を果たせないことがあります。順に整理します。
薬剤だけの追加はできる。ただし条件がある
処方を受けた歯科医院で薬剤を追加してもらうのは、一般的な流れです。マウスピースの作製費は最初の1回だけで、その後は薬剤の分だけを支払う——という構造になっています。費用の内訳はホームホワイトニングの値段|「一式」の中身と、続ける費用の出し方にまとめました。
その際に確認されるのが、次の2点です。
マウスピースが今も合っているか。
口の中の状態に変化がないか。
このうち、意外に見落とされるのが前者です。理由を見ていきます。
なぜマウスピースの適合が条件になるのか
ホームホワイトニングは、薬剤とマウスピースがセットで初めて機能します。 マウスピースは薬剤を歯の表面に一定の厚みで保つための器で、単なる入れ物ではありません。
合わなくなると、2つのことが起こります。
薬剤が均一に届かなくなる。 歯とマウスピースの間に隙間ができると、その部分の薬剤の厚みが変わります。場所によって作用の強さが変わるため、色にムラが出ます。 一部だけ明るくなって、別の部分が残る——という状態です。
薬剤がはみ出す。 浮いた部分から薬剤が漏れると、歯ぐきに触れます。一時的な白濁や刺激感の原因になります。
では、なぜ合わなくなるのか。原因はいくつかあります。
歯の位置が動いた。 歯は生涯にわたって少しずつ動きます。数ヶ月から数年の間隔があると、その分だけずれが生じます。
保管中に変形した。 熱に弱いため、夏場の室内や直射日光の当たる場所に置いていた場合、形が変わっていることがあります。
破損している。 縁が欠けた、ひびが入ったといった状態では、薬剤の位置が保てません。
歯科治療を受けた。 詰め物を入れ替えた、被せ物を作った、抜歯した——これらは歯の形そのものを変えるので、以前のマウスピースは合わなくなります。矯正治療を受けた場合も同じです。
つまり、「マウスピースは持っている」ことと「使える状態にある」ことは別です。
自分で適合を確かめる方法
歯科医院に行く前に、手元で確認できることがあります。
装着して、浮きがないか見る。 歯の面にぴったり沿っているか。特に前歯の先端や、奥歯の内側に隙間ができていないかを見てください。
指で軽く押して、離すと戻るか。 押したときに大きく動く、離しても浮いたままになる——こうした場合は合っていない可能性があります。
縁が歯ぐきに食い込まないか。 変形すると縁の位置が変わり、歯ぐきに当たって痛みが出ることがあります。
白く濁っていないか、ひびがないか。 材料が劣化しているサインです。
においが取れないか。 洗っても取れない場合、表面に細かい傷がついて汚れがたまっている状態が考えられます。
これらに当てはまるものがあれば、そのまま使うのは避けてください。ただし、当てはまらなくても適合が保たれているとは限りません。 わずかなずれは自分では気づきにくいので、確認は診察で行うのが確実です。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
再処方のときに確認される項目
薬剤の追加は、単なる物品の販売ではなく処方です。次のような点が見られます。
口の中の状態。 前回から時間が空いていれば、むし歯や歯ぐきの状態が変わっていることがあります。未治療のむし歯があると、薬剤がしみる原因になります。
前回からの期間。 数週間なのか、数年なのかで前提が違います。長く空いている場合は、あらためて診察を受ける形になります。
前回の濃度と装着時間。 同じ組み合わせを続けるのか、変えるのか。ここは次の項で扱います。
今の色と目標。 どこまで進んでいて、あとどのくらい必要か。薬剤を何セット用意するかの判断につながります。
この確認があるからこそ、処方という形をとっています。 薬剤だけを受け取る場合でも、この工程は残ります。
入手する経路によって前提が変わる
薬剤を手に入れる方法は、いくつか考えられます。それぞれ前提が違います。
| 処方を受けた歯科医院 | 別の歯科医院 | 通販・個人輸入 | |
|---|---|---|---|
| 診察 | 経過を把握したうえで判断 | あらためて診察 | なし |
| マウスピースの適合確認 | できる | できる(作り直しの判断もある) | できない |
| 濃度と口の中の状態の対応 | 前回の記録がある | その場で判断 | 対応していない |
| 期限・保管の管理 | 処方時に案内される | 同上 | 自己管理 |
話が早いのは、処方を受けた歯科医院です。 前回の記録が残っているため、確認する項目が少なくて済みます。
別の歯科医院でも相談はできます。 ただし、そこで作ったマウスピースではないため、適合の確認から始まります。作り直しの判断になることもあります。
通販や個人輸入で手に入れる場合、診察を経ていないという点が前提の違いになります。濃度は決まっていても、それが今の自分の口の中の状態に対応しているかは確認されていません。マウスピースの適合も見てもらえません。日本での品質・安全性の確認を経ていない製品もあります。
これは事業者の良し悪しの話ではなく、組み合わせが成立しているかを誰も確認していないという構造の話です。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
濃度を変えるときは装着時間も変わる
前回と違う濃度の薬剤を使う場合、装着時間も変わります。
自宅で使う薬剤の主成分は過酸化尿素で、濃度が高いほど1回の装着時間は短く設計されています。10%であれば1日2時間程度、20%であれば30分から1時間程度が目安です。濃度と時間はセットで釣り合うように組まれています。
ここを知らずに、前回と同じ感覚で長く着けてしまうと、作用が増えるより先に刺激が強くなります。しみる症状が出やすくなり、歯ぐきへの負担も増えます。
濃度の意味と保管の考え方はホームホワイトニングのジェルとは?濃度の意味と保管・期限の考え方で詳しく解説しています。1日の進め方はホームホワイトニングのやり方|1日の手順と、その理由をあわせて解説にまとめました。
ホームホワイトニングの薬剤の追加に関するよくある質問
マウスピースが合わなくなっていた場合はどうなりますか
型を取り直して作製することになります。歯の位置が動いている場合、以前のものを調整して使うのは難しいためです。作製にかかる期間は1〜2週間程度が目安で、費用は初回と同額の場合も、割安に設定されている場合もあります。事前に確認しておくと計画が立てやすくなります。
前回余った薬剤は、次のときまで取っておけますか
期限内で、指定された場所に保管できていれば使える場合があります。ただし、薬剤は熱・光・空気で分解が進むため、開封して時間が経ったものは働きが落ちていることがあります。期限と保管状態を確認したうえで、処方元に相談してみてください。保管の注意点はホームホワイトニングの注意事項|4つの領域と、止めどきの基準にまとめています。
別の歯科医院でも処方してもらえますか
相談はできます。ただし、そこで作ったマウスピースではないため、適合の確認から始まります。以前どのような薬剤を使っていたか、濃度と装着時間はどうだったかを伝えられると、判断がしやすくなります。
福岡で再開するにはどうすればいいですか
まずマウスピースを装着して、浮きがないかを確認してみてください。そのうえで、今の口の中の状態と色を診てもらいます。オンラインでの診察に対応している歯科医院なら、通院せずに再開の相談ができる場合があります。マウスピースを持っている前提で始められると、必要なのは薬剤の分だけになります。
まとめ|薬剤の前に、マウスピースを確認する
薬剤だけを買い足すことはできます。条件は、マウスピースが今も合っていることと、口の中の状態に変化がないことの2つです。
マウスピースが合わないと、薬剤が均一に届かず色にムラが出ますし、はみ出して歯ぐきに触れます。薬剤とマウスピースはセットで初めて機能する——ここが判断の土台になります。
自分で確認できるのは、浮きの有無、押したときの動き、縁の当たり方、濁りやひび、においです。当てはまるものがあれば使わずに相談してください。当てはまらなくても、わずかなずれは気づきにくいので、確認は診察でが確実です。
入手の経路によって前提も変わります。処方を受けた歯科医院なら記録が残っている分、確認が少なくて済みます。診察を経ない経路では、濃度と自分の口の中の状態が対応しているかを誰も確認していない状態になります。
再開するなら、まずマウスピースを口に入れてみるところから。 そこで判断がつかなければ、そのまま相談に持っていってください。
福岡博多矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニングジェルと知覚過敏抑制剤をご自宅にお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方はご来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過は24時間LINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング(国内で承認された薬剤を使用)
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:使用中や使用後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・詰め物・被せ物・差し歯などの人工物は薬剤では白くなりません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
