歯科医院で青い光を当てている場面を見たことがある方も、通販で家庭用の機器を見かけた方もいると思います。「光を当てると歯が白くなる」——そう受け取るのが自然な見た目です。
ただ、実際に起きていることは少し違います。光そのものは歯を白くしていません。 光が働きかけているのは薬剤のほうで、だからこそ何と組み合わせるかで結果が変わります。 順に整理していきます。
光そのものは歯を白くしない
まず結論から。ホワイトニングで使われる光の役割は、薬剤の分解を促すことです。
歯の色に働きかけているのは薬剤です。光を当てても、相手になる薬剤がなければ何も始まりません。光は反応を後押しする立場にあります。
その証拠に、光を使わない方式も存在します。 薬剤の設計によっては照射を伴わないものがあり、それでも歯の色に働きかけられます。自宅で行う方法にいたっては、光を使わないのが一般的です。
つまり、光の有無が結果を決めているわけではありません。 ここを取り違えると、「光を当てるだけの機器」に期待を寄せることになります。
何が起きているのか
もう少し踏み込みます。
歯科医院で使う薬剤は過酸化水素を主成分としています。これが分解すると活性酸素が生じ、歯の中にある有機性の色素の構造に働きかけます。色素が細かい単位に切り分けられることで、光を通しやすく、反射しやすくなり、歯が明るく見えるようになります。
光が加わると、この分解が進みやすくなります。 エネルギーが供給されるためです。使われるのは青い光の帯で、およそ400〜500ナノメートル付近の波長が選ばれることが多くなっています。
短い時間で作用させる設計と噛み合っているのがポイントです。歯科医院での施術は、薬剤を塗って光を当てる時間が8分から15分程度、それを2回から3回繰り返す形になります。薬剤は反応が進むにつれて働きが弱まるため、拭き取って新しいものに入れ替えます。作用の詳細はホワイトニングの仕組み|薬剤が歯を白くするまでに何が起きているかにまとめました。
熱の扱い
光には熱が伴います。ここが機器の設計で気を配られている点です。
熱が強くなると、しみる症状が出やすくなります。 歯の内部には神経や血管の通る部屋があり、温度の変化はそこに伝わります。照射の時間が区切られているのは、作用の効率だけでなく、この熱の蓄積を避ける意味もあります。
近年の照射器は、発光ダイオード(LED)を使って発熱を抑える設計が一般的です。かつて使われていた光源と比べると、熱の出方が違います。
とはいえ、熱がまったくないわけではありません。施術中に温かさを感じたり、しみる感じが出たりすることがあります。気になったらその場で伝えてください。 照射の時間や当て方を調整してもらえます。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
同じ「ライト」でも、組み合わせる相手が違う
ここが判断の中心です。光を当てる機器は、歯科医院にも、それ以外の場所にもあります。機器の見た目は似ていても、一緒に使うものが違います。
| 歯科医院で使う場合 | 歯科医院以外で使う場合 | |
|---|---|---|
| 組み合わせる薬剤 | 過酸化水素を主成分とするもの | 歯の内部を漂白する成分を含まないもの |
| 働きかける対象 | 歯の内部にある色素 | 表面についた着色 |
| 歯ぐきの保護 | 施術前に樹脂で覆う | 高濃度の薬剤を使わないため、この工程はない |
| 扱う人 | 歯科医師・歯科衛生士 | 本人、またはサービスの担当者 |
国内で流通する市販品は、化粧品または医薬部外品として扱われます。いずれの区分でも、歯の内部の色素を分解して漂白することを目的とした成分は配合されません。 区分の考え方は韓国のホワイトニング歯磨き粉|国内での扱いと、期待できる範囲で整理しています。
では、歯科医院以外で使われる光は何をしているのか。酸化チタンなどに光を当てて、表面の汚れの分解を促すという仕組みが使われることがあります。これは表面についた着色を落とす方向の働きで、歯そのものの色を薄くするのとは対象が違います。歯科医院以外のサービスの作用はセルフホワイトニングの効果とは?何に働きかけるのかを仕組みから解説にまとめました。
光は同じでも、結果が違うのは相手が違うからです。 どちらが優れているという話ではなく、担当している範囲が別ということになります。
家庭用の機器を検討するときに見ること
購入を考えている場合、見るべきなのは機器そのものより一緒に使うものです。
成分表示を確認する。 付属しているジェルや溶液に何が入っているのか。国内で流通する市販品であれば、日本語の法定表示ラベルに全成分が記載されています。
目的と照らし合わせる。 自分の黄ばみが表面の着色なら、そこに働きかける製品で目的を果たせます。歯そのものの色が原因なら、担当範囲の外になります。
目の保護。 強い光を直視しないでください。歯科医院では保護具が使われます。家庭で使う場合も、説明書の指示に従ってください。
使用時間を守る。 熱の蓄積を避けるため、指定された時間を超えて当て続けないようにします。
そして、自分の黄ばみがどちらなのかは、診察で確認できます。 ここが分かれば、機器を買うべきかどうかもはっきりします。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
光を使わない方式もある
冒頭で触れた点を、もう少し詳しく書いておきます。
歯科医院で行う施術のなかにも、照射を伴わない設計のものがあります。 薬剤の側で反応が進むように組まれていれば、光の後押しがなくても作用します。
そして、自宅で行う方法では光を使いません。主成分は過酸化尿素で、口の中で分解して過酸化水素になり、時間をかけて作用します。低い濃度で長く、というのがこちらの設計です。薬剤ごとの設計の違いはオフィスホワイトニングの薬剤|過酸化水素が単体で使われない理由で解説しています。
光の有無で優劣が決まるわけではありません。 どちらの方式でも、到達できる明るさは歯の側で決まります。エナメル質の厚みと象牙質の色が上限を決めるため、機器を変えても届く先は変わりません。
ホワイトニングライトに関するよくある質問
光だけを当てても意味がないのですか
歯の色に働きかけるのは薬剤なので、光を単体で当てても色は変わりません。光の役割は薬剤の分解を促すことにあります。何と組み合わせるのかが決まって、はじめて結果の見当がつきます。
目に悪くないですか
強い光を直視するのは避けてください。歯科医院では保護のためのめがねやシールドが使われます。家庭で使う機器でも、説明書に目の保護についての記載があるはずです。指示に従って使ってください。
歯科医院と同じような機器を買えば、同じ結果になりますか
なりません。機器が似ていても、一緒に使う薬剤が違うためです。歯の内部を漂白する成分は歯科医師の管理下で扱われるもので、市販の製品には配合されていません。加えて、歯ぐきを覆う保護の工程も家庭では用意できません。
福岡で相談するときはどうすればいいですか
自分の黄ばみが表面の着色なのか、歯そのものの色なのかを診てもらうところからです。着色であればクリーニングで対応でき、歯そのものの色であれば薬剤による方法が候補になります。オンラインでの診察に対応している歯科医院なら、通院の回数を抑えながら相談を始められます。
まとめ|光ではなく、組み合わせで決まる
ホワイトニングで使われる光の役割は、薬剤の分解を促すことです。光そのものが歯を白くしているのではありません。
使われるのは青い光の帯で、およそ400〜500ナノメートル付近の波長が選ばれることが多くなっています。光には熱が伴うため、発熱を抑える設計と、照射時間を区切る運用が組み合わされています。
そして、同じように光を当てていても、組み合わせる相手が違えば起きることが違います。 歯科医院では歯の内部の色素に、それ以外では表面の着色に働きかける形になります。どちらが優れているのではなく、担当範囲が別です。
光を使わない方式もあり、自宅で行う方法では光を使いません。 到達できる明るさは、どの方式でも歯の側で決まります。
機器を選ぶ前に、自分の黄ばみがどちらなのかを確認してみてください。そこが決まれば、必要な組み合わせも決まります。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング(国内で承認された薬剤を使用)
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:使用中や使用後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・詰め物・被せ物・差し歯などの人工物は薬剤では白くなりません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
