前歯の差し歯だけが暗く見える。ホワイトニングをすればいいのかと思って調べると、「人工物は白くならない」と出てくる。では歯のマニキュアなら——と探しているうちに、何を選べばいいのか分からなくなる。
整理のしかたはひとつです。手段を「変える・覆う・作り替える」の3つに分ける。 そのうえで、自分の目的と期限に合うものを選びます。順に見ていきます。
手段は3つに分かれる
まず全体像から。
| 手段 | 何をするか | 差し歯への適用 | 持続の目安 |
|---|---|---|---|
| 変える | 薬剤で歯そのものの色を薄くする | 使えない | ホームで6ヶ月〜1年程度(天然歯の場合) |
| 覆う | 表面にコート剤を塗って白く見せる | 使える | 歯科医院で1〜3ヶ月程度 |
| 作り替える | 差し歯そのものを新しく作る | 使える | 材料が変色するまで |
差し歯に対して「変える」は使えません。 これが出発点になります。そして「覆う」は一時的な手段で、「作り替える」は根本的な手段です。持続の長さが違うぶん、かかる期間と費用も違います。
原因別の整理は歯の黄ばみを取る方法|原因別に「落とす・薄くする・覆う」で整理にまとめています。
なぜ薬剤では色が変わらないのか
ホワイトニングの薬剤が働きかけるのは、歯の中にある有機性の色素です。分解して生じた活性酸素が、その色素の構造を切り分けます。
差し歯に使われているのはセラミックや樹脂といった人工の材料で、薬剤が働きかける対象を持っていません。 そのため、どれだけ薬剤を作用させても色は変わりません。
つまり、差し歯がある状態でホワイトニングを進めると、天然の歯だけが明るくなります。 差し歯はその場にとどまるので、差が広がって見えることになります。この性質は詰め物や被せ物、インプラントでも共通で、インプラントがあるとホワイトニングはできない?順番と維持で考えるで詳しく扱っています。
差し歯だけ色が違って見える3つの原因
ここで一度立ち止まります。今その差し歯が浮いて見えるのは、何が変わったからでしょうか。 原因は3つ考えられ、それぞれ打つ手が違います。
①材料そのものが変色した。 樹脂系の材料は、時間の経過とともに色が変わることがあります。わずかに水分を吸い、表面が摩耗して細かい凹凸ができ、そこに色素が入り込むためです。この場合は、覆うか作り替えるかになります。詰め物の変色についてはホワイトニングと詰め物|「白くならない」だけでなく「先に変色する」にまとめました。
②周りの天然歯が変わった。 加齢や着色で天然歯が濃くなれば、相対的に差し歯が明るく浮いて見えます。逆に、ホワイトニングで天然歯が明るくなれば、差し歯が暗く見えます。この場合、変わったのは差し歯ではありません。
③歯ぐきが下がって、境目が見えるようになった。 差し歯と歯の境目や、その下の部分が露出すると、そこだけ色が違って見えます。歯ぐきの状態の変化が原因なので、色の手当てだけでは解決しないことがあります。
どれに当たるかは診察で確認できます。 ②であれば、差し歯に手を入れる前に天然歯側を整えるほうが順当です。③であれば、まず歯ぐきの状態を見る必要があります。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
歯のマニキュアとは何をするものか
「覆う」に属する手段です。中身を整理します。
歯の表面に着色料を含むコート剤を塗り、白く見せる方法です。爪に塗るマニキュアと同じ発想で、上に色を載せます。
ここが大切な点です。材料そのものの色を変えているわけではありません。 塗ったものが剥がれれば、下にあるもとの色が現れます。この性質から、いくつかの特徴が導かれます。
持続は限られます。 歯科医院で行うものは1〜3ヶ月程度が目安です。市販の製品は数時間から1日程度で、飲食や歯みがきで落ちることが多くなります。
人工物にも天然歯にも塗れます。 薬剤が届かない差し歯にも使えるのが、この手段の位置づけです。
表面に厚みが出ます。 上に載せるので、わずかに厚くなります。歯と歯の間や、歯ぐきとの境目の形が変わって見えることがあります。
透明感は出しにくくなります。 天然の歯は光をある程度通しますが、コート剤は表面で光を反射します。周りの歯との質感の違いが出ることがあります。
着色しやすくなります。 表面の性質が変わるため、色の濃い飲食物や喫煙の影響を受けやすくなります。塗った後の飲食にも配慮が要ります。
剥がれ方が均一とは限りません。 部分的に落ちると、かえって目立つことがあります。塗り直しの時期を見込んでおく必要があります。
期限があるときの考え方
式や撮影など、日付が決まっている場合は事情が変わります。
作り替えには期間がかかります。型を取って作る工程が入るため、色を決めてから完成までに時間が要ります。しかも、天然歯のホワイトニングを先に済ませてから色を合わせるとなると、さらに前倒しが必要です。
そこまでの時間がないなら、一時的に覆う手段が現実的な選択になります。 当日の見え方を整えることが目的なら、持続の短さは問題になりにくいからです。
同時に考えておきたいのが、その後をどうするかです。当日をしのいだ後で、天然歯側を整えて差し歯を作り替える——という順番にしておけば、次は長く保てます。一時的な手段と根本的な手段は、どちらかを選ぶものではなく、順番に並べられます。
期限から逆算する考え方はブライダルホワイトニングはいつから?式当日から逆算する進め方にまとめています。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
作り替えるなら、順番がある
根本的に解決する場合、順番を守ると手戻りが減ります。
まず天然の歯を明るくします。 差し歯の色は、周りの歯に合わせて決めるものだからです。先に差し歯を作ってしまうと、後から天然歯が明るくなったときに、また差し歯だけが暗く残ります。
色が落ち着くまで待ちます。 施術の直後は歯が一時的に脱水した状態で、実際より白く見えます。数日で水分が戻ると色は落ち着きます。この落ち着いた色に合わせないと、後でずれます。 加えて、材料を接着する条件も一時的に変わるため、間隔をあける意味があります。合わせて2週間程度が目安です。色の測り方はホワイトニングのレベルとは?シェードガイドの2つの並べ方と色の測り方で解説しています。
その後の維持も計画に入れます。 天然歯の明るさは時間とともに戻り始めます。維持をやめると、合わせたはずの色がまたずれていきます。差し歯を作り替えるなら、天然歯側を保つところまでが一続きだと考えてください。
差し歯を白くすることに関するよくある質問
市販のマニキュアを自分で塗ってもいいですか
製品の説明書に従って使う分には、選択肢のひとつです。ただし、持続が数時間から1日程度と短く、塗り方によってはムラが出ます。歯と歯ぐきの境目にはみ出すと、かえって目立つこともあります。大事な予定がある場合は、事前に一度試しておくと安心です。
マニキュアを塗った上からホワイトニングはできますか
コート剤が表面を覆っている状態では、薬剤が歯に触れられません。ホワイトニングを行う場合は、先にコート剤を落としてからになります。順番としては、天然歯のホワイトニングを済ませてから、必要に応じて人工物側を整える形が扱いやすくなります。
差し歯の根元が黒っぽく見えるのですが
歯ぐきが下がって、差し歯の縁や土台の部分が見えている可能性があります。この場合は色を載せても解決しないことが多く、歯ぐきの状態を含めて診てもらう必要があります。作り替えの判断につながることもあります。
福岡で相談するときは何から確認すればいいですか
差し歯の色が変わったのか、周りの天然歯が変わったのか、歯ぐきが下がったのか——この切り分けからです。原因が分かれば手段も決まります。予定の日付がある場合は、それも最初に伝えてください。逆算して現実的な進め方を提案してもらえます。オンラインでの診察に対応している歯科医院なら、天然歯側の準備を通院を増やさずに始められます。
まとめ|目的と期限で手段が決まる
差し歯を白くする手段は、変える・覆う・作り替えるの3つです。このうち「変える」——薬剤で色を薄くする方法は、人工物には使えません。
まず確かめたいのは、なぜ今浮いて見えるのかです。材料そのものが変色したのか、周りの天然歯が変わったのか、歯ぐきが下がったのか。原因によって打つ手が変わります。
歯のマニキュアは「覆う」手段で、表面にコート剤を載せて白く見せます。持続は歯科医院で1〜3ヶ月程度、市販品は数時間から1日程度。厚みが出る、透明感が出にくい、着色しやすいといった性質もあります。
期限が迫っているなら、一時的に覆う手段が現実的です。そのうえで、後から天然歯を整えて作り替える——この2つは順番に並べられます。
作り替えるときの順番は、天然歯を明るくする → 2週間程度あける → 色を合わせる。この順番と、その後の維持まで含めて計画すると、合わせた色が長く保てます。
福岡博多矯正歯科のホワイトニング
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング(国内で承認された薬剤を使用)
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:使用中や使用後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・詰め物・被せ物・差し歯などの人工物は薬剤では白くなりません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
