前歯のうち1本だけが暗く見える。神経を抜いた歯が、年月とともに色を変えていく——削らずに白くする方法として挙がるのがウォーキングブリーチです。
ただ、料金を調べると「1回○円」という表示ばかりが出てきて、結局いくらかかるのかが読めません。理由ははっきりしていて、この処置は費用の数え方が通常のホワイトニングと違うからです。1歯単位で、しかも薬剤を交換するたびに費用が発生します。その構造から順に整理していきます。
ウォーキングブリーチとは何をする処置か
神経を失った歯は、時間の経過とともに内側から色が濃くなっていきます。歯の内部に残った血液の成分や、神経を取り除いた後の変化が原因です。
この変色は歯の内部で起きているため、外側から薬剤を塗る方法では届きません。 表面のクリーニングでも、マウスピースを使う方法でも、色の元がある場所に作用しないからです。
そこでウォーキングブリーチでは、歯の裏側に小さな穴をあけ、そこから内部に漂白剤を入れて仮に封をします。 薬剤は歯の中に置かれたまま、日常生活を送っている間に働きます。歩いている間も漂白が進む、という意味で「ウォーキング」と呼ばれています。
1〜2週間後に来院して薬剤を交換し、色の変化を見ながらこれを繰り返す。目標に届いたら穴を詰め物で閉じて終了です。歯を削って被せる方法と違い、歯質を残したまま色に働きかけられるのがこの処置の位置づけです。
なお、対象は神経を失った歯に限られます。生きている歯の黄ばみは原因も対処も別で、そちらは歯の黄ばみを取る方法|原因別に「落とす・薄くする・覆う」で整理にまとめています。
費用の数え方が、通常のホワイトニングと違う
料金表を見て混乱するのは、単価の意味が違うためです。2つの方式を並べると、その差がはっきりします。
| 通常のホワイトニング | ウォーキングブリーチ | |
|---|---|---|
| 対象 | 上下の見える範囲すべて | 変色した歯1本 |
| 課金の単位 | 1回の施術/一式 | 1歯 × 薬剤を交換した回数 |
| 回数の決まり方 | 目標の明るさと歯の状態 | その歯の変色の深さ |
| 終わりの判断 | 全体の色が目標に届いたとき | その1本が周りとなじんだとき |
通常のホワイトニングは対象が広い代わりに、回数の目安があらかじめ示されます。一方ウォーキングブリーチは、その1本がどこまで色を戻すかによって交換の回数が変わるため、始める前に総額を確定させにくいという性質があります。
「1回○円」という表示は、多くの場合1回の交換にかかる金額です。 総額はそこに回数を掛けたものになります。単価が安く見えても交換が多く要れば総額は上がり、単価が高めでも少ない回数で終われば総額は下がる。単価だけを見て判断できない理由がここにあります。
費用の目安と、回数の考え方
一般的な相場としては、1歯あたりの総額でおよそ10,000〜20,000円程度が目安になります。方式ごとの相場全体はホワイトニングの値段はいくら?種類別の相場と「総額」で考える方法にまとめました。
課金のしかたには2つの型があります。
1回の交換ごとに一律の単価を設定する型。 交換のたびに同じ額を支払います。回数が読めれば総額も読めます。
初回と2回目以降で単価を分ける型。 初回に穴をあける処置が含まれるぶん高く、2回目以降の交換は低めに設定されます。この場合、単価表の上の数字だけを見ると総額を高く見積もりすぎることになります。
回数のほうは、1〜2週間おきに2〜4回程度が目安です。全体では1ヶ月から2ヶ月程度かかる計算になります。変色が濃い場合や、神経を失ってから年数が経っている場合は交換が増える傾向があります。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。本記事の金額はすべて一般的な相場であり、特定の医院の料金ではありません。
見積もりに入っていないことがある3つの費用
総額が想定と食い違う原因は、たいてい処置そのものではなく前後にあります。
根の状態の確認と、必要な場合の処置。 ウォーキングブリーチは、根の中の治療が適切に終わっていることが前提です。撮影して確認した結果、先に根の治療をやり直す判断になることがあります。この分は漂白の費用とは別に発生します。
最後に穴を閉じる詰め物。 薬剤を入れるためにあけた穴は、終了時に詰めて閉じます。この詰め物が漂白の料金に含まれる医院と、別に計上する医院があります。前歯の見える位置なので、色を合わせた材料を使うとその分が変わることもあります。
周りの歯との色合わせ。 1本だけを白くしても、周りの歯が暗ければ今度はその1本が浮いて見えます。全体を明るくしてから合わせる場合、そちらの費用が加わります。順番としては全体を先に整え、最後にこの1本を合わせにいく形が扱いやすくなります。
見積もりを受け取ったら、「この金額は1回分か、それとも1歯が終わるまでの総額か」を確認してください。ここが揃えば、あとの計算はまっすぐ進みます。
保険は使えるのか
歯の色を整える目的で行う漂白は自由診療です。ウォーキングブリーチもこれにあたるため、費用は全額自己負担になります。
ただし、その手前にある根の中の治療は、症状の治療として保険の対象になることがあります。 「根の治療は保険、色を戻す処置は自由診療」という分かれ方です。同じ歯に対する処置でも、目的によって扱いが変わります。
保険が使える場面と使えない場面の線引きはホワイトニングに保険は使える?対象外の理由と、保険で足りるケースで整理しています。
白さが届かなかったときに残る選択肢
正直に書くと、この処置で周りと同じ色まで届くとは限りません。 変色が濃い場合や、内部の状態によっては変化が小さいこともあります。
届かなかったとき、次に挙がるのは歯を削って人工物で覆う方法です。歯の表面を薄く削って板状の材料を貼る方法や、全体を覆う被せ物にする方法があります。いずれも色は自由に決められますが、歯質を削る点と、人工物は後から薬剤で色を変えられない点が前の方法との違いになります。
人工物の色が薬剤で変わらないという性質は、インプラントがあるとホワイトニングはできない?順番と維持で考えるでも扱っています。
だからこそ、削らない手段を先に試す順番に意味があります。ウォーキングブリーチで届けばそこで終わり、届かなければ削る手段に移る。逆の順番はとれません。一度削った歯を元に戻すことはできないからです。
支払った費用が結果に結びつかない可能性がある——これは事前に理解しておきたい点です。始める前に、どのくらいの変化が見込めるのかを診察で確認しておくと、判断がしやすくなります。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。本記事の金額はすべて一般的な相場であり、特定の医院の料金ではありません。
ウォーキングブリーチの費用に関するよくある質問
予定より交換の回数が増えたら、その分を追加で払うのですか
交換ごとに課金する方式であれば、増えた分の費用が発生します。事前に上限を決めておく取り決めをしている医院もあるので、始める前に「何回までを想定しているか」「それを超えた場合はどうなるか」を確認しておくと予算が崩れません。
途中でやめることはできますか
薬剤を取り出して穴を閉じれば、そこで区切ることはできます。ただし、それまでに交換した回数分の費用は発生しています。色の変化は少しずつ進むため、途中でやめると中間の色で止まることになります。どのあたりで区切るかは、色を見ながら相談して決める形になります。
後戻りしたら、また同じ費用がかかりますか
内部の漂白でも、時間の経過とともに色が戻ることがあります。再度行う場合はあらためて費用が発生します。ただし、初回ほどの回数が要らないこともあり、総額は状態によって変わります。色の変化を記録しておくと、いつ手を入れるかの判断がしやすくなります。
福岡でまず何を確認すればいいですか
その1本の変色が本当に神経を失ったことによるものか、それとも別の原因かを診てもらうところからです。原因が違えば処置も費用も変わります。周りの歯を含めて全体をどうしたいのかも、同じ場で相談しておくと順番が決めやすくなります。オンラインでの診察に対応している歯科医院なら、通院の回数を抑えながら相談を進められます。
まとめ|単価ではなく「1歯の総額」で聞く
ウォーキングブリーチは、神経を失って内側から変色した歯に対して、削らずに色を戻す処置です。歯の内部に薬剤を入れ、1〜2週間おきに交換しながら色を見ていきます。
費用は1歯単位・交換ごとの課金という数え方になるため、「1回○円」という表示だけでは総額が出ません。目安は1歯あたり10,000〜20,000円程度、交換は2〜4回程度ですが、変色の深さによって変わります。
さらに、根の状態の確認・最後の詰め物・周りの歯との色合わせが別に発生することがあります。見積もりの場では、その金額が1回分なのか1歯が終わるまでの総額なのかを最初に確認してください。
そして、この処置で届かない場合もあります。そのときは削る手段に移ることになりますが、削らない方法を先に試しておけば、選択肢は減りません。 順番を決めるところから相談を始めてみてください。
福岡博多矯正歯科のホワイトニング
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング(国内で承認された薬剤を使用)
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:使用中や使用後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・詰め物・被せ物・差し歯などの人工物は薬剤では白くなりません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
