ホワイトニング用と書かれた歯みがき剤を何ヶ月か使ってみたけれど、色が変わった気がしない。そんな経験をした方は少なくありません。
黄ばみを取る手段は、大きく3つに分かれます。表面に付いたものを落とす、歯そのものの色を薄くする、人工物で覆う。 そして、どれが効くかは黄ばみの原因によって決まります。歯みがき剤で変化がなかったとすれば、原因が「表面に付いたもの」ではなかった可能性があります。原因の見分け方と、対応する手段を順に見ていきます。
黄ばみを取る手段は3つに分かれる
情報を探すと「自宅でできること」と「歯科医院でできること」という分け方をよく見かけます。ただ、この分け方だと歯科医院の中にまったく別の処置が混ざってしまいます。働きかけ方で分けると、対応が見えやすくなります。
| 手段 | 何をするか | 対応する原因 | 元に戻せるか |
|---|---|---|---|
| 落とす | 表面に付いた着色を取り除く | 飲食物の色素、喫煙のヤニ | 戻せる |
| 薄くする | 歯の内部に取り込まれた色素を分解する | 内部の色素、象牙質の色 | 時間とともに色は戻る |
| 覆う | 人工物で色そのものを変える | 上の2つで届かない場合 | 元に戻せない |
3つ目だけ性質が違います。歯を削る処置を伴うため、やり直しはできても元の歯には戻りません。だから順番としては最後に置くのが原則になります。
強く磨くと、かえって黄色く見える
手段の話に入る前に、先に伝えておきたいことがあります。力を入れて磨くことは、目的と逆方向に働きます。
歯の構造を思い浮かべてください。表面を覆っているエナメル質は半透明で、その内側にある象牙質はもともと黄色みを帯びています。エナメル質が厚いほど内側の色は隠れ、薄いほど透けて見えます。
つまり、強いブラッシングや研磨のしすぎでエナメル質が削れていくと、内側の黄色が見えやすくなるということです。落とそうとして磨くほど、黄色く見える方向に進みます。
歯の表面に付いた着色を落とすのに、強い力は要りません。必要なのは、色素が固着する前に落とすことです。力ではなく頻度と丁寧さで対応する——ここを取り違えると、時間をかけるほど遠ざかります。
自分の黄ばみがどれかを見分ける手がかり
確定するには診察が要りますが、ある程度の見当はつけられます。
全体が均一に黄色い場合。 象牙質の色が透けている可能性があります。この場合、表面を落としても変化は限られます。
歯と歯の間や根元だけが濃い場合。 表面に着色が溜まっているのかもしれません。汚れが残りやすい場所から濃くなるためです。
子どもの頃から色が気になっていた場合。 生まれつきの要素が関わっている可能性があります。
特定の歯だけ色が違う場合。 その歯が人工物であるか、神経を失っていることが考えられます。周囲と明らかに色が違うのが特徴です。
いずれも決め手にはなりませんが、方向性を絞る材料にはなります。どの原因かによって、次に取る手段が変わります。
手段①落とす——表面に付いた着色を取り除く
歯科医院でのクリーニング
歯の表面に付いた着色、歯垢、歯石を専用の器具や研磨ペーストで取り除きます。原因が表面の着色にとどまっているなら、これだけで解決することがあります。
費用の面でも大きな違いがあります。歯周病の治療の一環として行うクリーニングであれば、保険が適用される場合があります。まず原因を確かめる意味は、ここにもあります。
日常のケア
日々できるのは、着色を蓄積させないことです。色の濃いものを口にしたあとに水で口をすすぐ、その日のうちに丁寧に磨く——固着する前であれば落ちます。
ホワイトニング用と表示のある歯みがき剤の役割も、この範囲にあります。表面の着色を落とす、あるいは付きにくくする方向の働きで、歯そのものの色を薄くするものではありません。冒頭の「歯みがき剤を変えても変わらなかった」という結果は、原因が表面になかった場合に起こります。
自由診療についての注記
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
手段②薄くする——歯そのものの色を漂白する
表面を落としても届かない層に働きかけるのが、歯科医院で受けるホワイトニングです。歯の内部に取り込まれた色素を薬剤で分解します。
進め方は2つあります。歯科医院で薬剤を塗って光を当てる方式はオフィスホワイトニングとは?1回の効果・必要な回数・持続期間をわかりやすく解説、処方を受けて自宅でマウスピースを装着する方式はホームホワイトニングとは?仕組み・効果・費用と「白くなる歯/ならない歯」の見分け方で解説しています。費用の考え方はホワイトニングの値段はいくら?種類別の相場と「総額」で考える方法にまとめました。
ただし、どこまで薄くできるかには上限があります。決めているのはエナメル質の厚みと象牙質の色で、薬剤や回数では超えられません。象牙質の色そのものを大きく変えることはできないためです。
手段③覆う——人工物で色そのものを変える
上の2つで届かない場合の選択肢が、被せ物や貼り付けるタイプの人工物で色を変える方法です。歯の表面を削って装着するため、元の歯には戻せません。
色の自由度は高い一方で、歯質を失うという代償があります。加えて、人工物の色は薬剤で変えられないため、あとから周りの歯を明るくしたくなったときに色が合わなくなる、という問題も起こります。
順番は「削らない手段から」
3つを並べると、後になるほど元に戻しにくくなるという関係が見えます。
落とすことは何度でもやり直せます。薄くすることは時間とともに色が戻るので、やめれば元の方向へ向かいます。覆うことだけが、歯を削る分だけ引き返せません。
だから順番としては、落とす、薄くする、覆う、の順に検討するのが原則です。原因が表面の着色だけだった場合、最初の段階で解決し、費用も手間も大きく変わります。いきなり最後の手段を検討する必要はありません。
取りにくい黄ばみもある
どの手段でも変化が出にくいものがあります。
抗菌薬の影響による変色は、歯の内部に縞状の色が残るため、薬剤では変化が出にくくなります。神経を失って黒ずんだ歯も、変色が象牙質の内側で起きているため、通常の方法では届きにくい部類です。そして詰め物・被せ物・差し歯・インプラントといった人工物は、薬剤では色が変わりません。
これらに該当する場合は、手段の選び方が変わります。自分が当てはまるかどうかの見分けはホワイトニングはしない方がいい?言われる理由を3つに分けて考えるで整理しています。
自由診療についての注記
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
歯の黄ばみに関するよくある質問
ホワイトニング用の歯みがき剤で歯そのものは白くなりますか?
歯みがき剤の役割は、歯の表面に付いた着色を落とすこと、または付きにくくすることです。歯の内部に取り込まれた色素や象牙質の色に働きかけるものではありません。原因が表面の着色であれば変化を感じられますし、そうでなければ変化は限られます。
強く磨けば落ちますか?
落ちません。それどころか、エナメル質が削れて内側の象牙質が透けやすくなるため、黄色く見える方向に進みます。表面の着色を落とすのに強い力は必要ないので、力を抜いて丁寧に、固着する前に落とすことを意識してください。
クリーニングとホワイトニングはどう違いますか?
働きかけている対象が違います。クリーニングは歯の表面に付いた着色や歯垢・歯石を取り除くもの、ホワイトニングは歯の内部に取り込まれた色素を薬剤で分解するものです。原因が表面にあるならクリーニングで足り、内部にあるならホワイトニングが対応します。
福岡で自分の黄ばみの原因を調べるにはどうすればいいですか?
歯科医院の診察で、着色が表面にとどまっているのか内部まで及んでいるのか、人工物がどこにあるのかを確認できます。原因が分かれば対応する手段も決まるので、試行錯誤せずに済みます。通院の時間が取りにくい場合は、オンラインで診察を受けられる歯科医院を選ぶ方法もあります。
まとめ|原因が決まれば、手段は決まる
歯の黄ばみを取る手段は、落とす・薄くする・覆うの3つです。表面に付いた着色なら落とすことで解決し、内部の色素や象牙質の色なら薄くすることが対応します。どちらでも届かない場合に、覆うという選択肢が出てきます。
順番としては削らない手段から。落とすことは何度でもやり直せ、薄くすることも時間とともに色が戻ります。人工物で覆うことだけが、歯質を失うため引き返せません。
そして、力を入れて磨くのは避けてください。エナメル質が薄くなると内側の象牙質が透けて、かえって黄色く見えます。何を試すかを決める前に、まず自分の黄ばみがどこにあるのかを確かめることが、遠回りを避ける近道です。
福岡博多矯正歯科のホワイトニング
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
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・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:使用中や使用後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療のむし歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・詰め物・被せ物・差し歯などの人工物は薬剤では白くなりません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
