「前歯だけをきれいにしたい」と考えている方におすすめなのが、マウスピースを使った部分矯正です。
全体矯正は費用も期間も大きな負担になりますが、前歯の軽い歪みやすきっ歯であれば、部分矯正の方が効率的で経済的に改善できる場合があります。
透明なマウスピースなら目立ちにくく、通院回数も最小限に抑えられるのも魅力です。
この記事では、前歯だけのマウスピース矯正について、治せるケースと治せないケース・費用や期間・メリットとデメリット・失敗しないクリニック選び・始める前の注意点をわかりやすく解説します。
マウスピース矯正で前歯だけ治せる?適応症例とできないケース

マウスピース矯正は前歯だけの改善にも対応できますが、すべての症例に適しているわけではありません。
治療できるのは軽度の叢生やすきっ歯、わずかな傾きなど限られたケースに限られます。一方で、歯を大きく動かす必要がある場合や噛み合わせに問題がある場合は全体矯正が必要です。
この章では、前歯だけ矯正の適応症例とできないケースを整理して解説します。
前歯だけのマウスピース矯正で治療できるのは軽度の叢生・すきっ歯・歯の傾き
マウスピース矯正で前歯だけの治療が可能なのは、軽度の歯並び不正に限られます。
具体的には、前歯が少し重なっている「軽度の叢生」、歯と歯の間に小さな隙間がある「軽度のすきっ歯」、そして前歯がわずかに前方や内側に傾いているケース。
これらはいずれも部分的な歯の移動で改善できるため、短期間で見た目の変化を実感しやすいのが特徴です。
部分矯正で動かせる歯の範囲と移動距離の目安
前歯だけのマウスピース矯正で動かせる範囲は、上下前歯6本ずつ、計12本が一般的です。
移動できる距離はおおよそ2〜3mmまでとされており、それ以上の大幅な移動が必要な場合は全体矯正が検討されます。
叢生では重なりが1〜2mm程度、すきっ歯では隙間が合計3mm以下であれば部分矯正の適応になりやすいです。
犬歯より奥の歯を大きく動かす必要があるケースは部分矯正では対応が難しい点に注意しましょう。
重度の不正咬合や骨格の問題は全体矯正が必要
前歯だけのマウスピース矯正では、重度の叢生や大きく前に出た出っ歯、顎の位置に関わる受け口などには対応できません。
これらは奥歯を含めた全体の噛み合わせを調整する必要があるため、部分矯正だけでは根本的な改善が難しいのです。骨格的な問題が原因の場合も、外科的処置や全体矯正が必要になるケースがあります。
見た目だけ整えても噛み合わせが不安定だと長期的なトラブルにつながるため、無理に前歯だけで治そうとせず全体矯正を検討することが大切です。
噛み合わせに問題があると前歯だけ矯正では不安定になる
前歯だけの矯正では、奥歯の噛み合わせを根本的に改善することはできません。
そのため、もともと噛み合わせに問題がある状態で前歯だけを動かすと、治療後にバランスが崩れやすく、顎関節に負担がかかったり後戻りが起こりやすくなります。
特に奥歯でしっかり噛めないケースでは、見た目を整えても機能的な安定が得られない可能性が高いです。
部分矯正を検討する際は、必ず精密検査で噛み合わせの状態を確認し、全体矯正が必要かどうかを慎重に判断しましょう。
前歯だけマウスピース矯正をする費用と治療期間

前歯だけを対象にしたマウスピース矯正は、全体矯正と比べて費用や治療期間を大幅に抑えられるのが特徴です。
とはいえ、実際の金額や期間は症例の難易度や治療範囲によって変動します。
追加費用が発生するケースもあるため、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。
この章では、費用の目安と内訳、治療期間の違い、全体矯正との比較、そして追加費用がかかるケースを解説します。
部分矯正の費用相場は10万円〜40万円が目安
前歯だけのマウスピース矯正は、一般的に10万〜40万円が目安といわれています。
費用には初回カウンセリングや精密検査、治療計画の立案、マウスピースの製作費用などが含まれることが多いです。
初回検査費用は2〜5万円、マウスピースの製作・調整費用は10〜30万円程度が目安。費用を比較するときは「総額にどこまで含まれているか」を必ず確認することが大切です。
クリニックによっては一括料金で提示される場合もあるため、契約前に詳細を把握しておきましょう。
例えばOh my teethのBasicプランでは、上下前歯12本の部分矯正を33万円(税込)で提供しており、追加費用のない明確な料金体系が特徴です。月々3,500円からの分割払いも利用できます。
治療期間は3ヶ月〜6ヶ月、症例の難易度で変わる
前歯だけのマウスピース矯正は、症例が軽度であれば3〜6ヶ月ほどで完了することもあります。
すきっ歯や軽度の叢生であれば比較的短期間で改善できますが、歯の移動量が多い場合は6ヶ月〜1年かかるケースも。
さらに、マウスピースの装着時間を守れるかが治療期間を大きく左右するポイントです。 1日20時間以上の装着を継続できれば計画通りに進みますが、装着時間が不足すると治療が長引く可能性があります。
全体矯正との費用・期間の違いを理解する
前歯だけのマウスピース矯正は、全体矯正と比べて費用も期間も大幅に抑えられます。部分矯正では10万〜40万円、3ヶ月〜1年程度で治療できるのに対し、全体矯正は60万〜100万円、1年〜3年かかるのが一般的です。
以下の表で全体矯正と比較しましょう。
| 項目 | 前歯だけ(部分矯正) | 全体矯正 |
| 費用相場 | 10万〜40万円 | 60万〜100万円 |
| 治療期間 | 3ヶ月〜1年 | 1年〜3年 |
| 通院回数 | 月1回程度 | 月1〜2回程度 |
| マウスピース枚数 | 5〜20枚程度 | 20〜60枚程度 |
| 適応症例 | 軽度の前歯不正 | 幅広い歯並びの問題 |
軽度の前歯の乱れなら部分矯正の方が効率的で経済的ですが、噛み合わせや骨格の問題を根本から改善したい場合は全体矯正が必要です。
治療中に追加費用が発生するケースもある
前歯だけのマウスピース矯正は費用が明確に提示されることも多いですが、治療中に想定外の追加費用がかかるケースもあります。
代表的なのは、治療計画の変更によるマウスピースの追加製作や、治療後に必要となるリテーナーの費用です。
さらに、定期調整料や紛失・破損時の再作製費用、治療期間が延びた場合の追加費用も発生することがあります。
契約前に「どこまでが総額に含まれているのか」を確認しておくことが、予算オーバーを防ぐポイントです。
前歯だけのマウスピース矯正のメリット5つ

前歯だけを対象としたマウスピース矯正には、短期間・低コストで目立たずに歯並びを整えられるという大きな魅力があります。
治療範囲を前歯に絞ることで効率的に改善できるため、忙しい方やイベントを控えている方にも選ばれやすい方法です。
この章では、前歯だけのマウスピース矯正のメリットを具体的に紹介します。
①短期間で見た目の改善を実感できる
前歯だけのマウスピース矯正は、平均3〜6ヶ月という短期間で目に見える変化を得られるのが大きな魅力です。
上下前歯6本ずつを集中的に整えるため、笑ったときの印象が大きく変わります。治療開始から1〜2ヶ月で歯の動きを実感し、3ヶ月目には明らかな改善を確認できるケースも多いです。
そのため、結婚式や就職活動などのイベントに合わせたい方にも適しています。
Oh my teethのBasicプランの治療期間は平均3ヶ月※。多くの方が短期間での見た目改善を実現しています。また、治療の進捗はLINEでのサポートによりリアルタイムで確認できるのも好評です。
※ 2020年1月〜2023年7月のBasicプランの実績値(戻り防止器具をつける保定期間除く)
②全体矯正より費用を抑えられる
前歯だけのマウスピース矯正は、費用が10万〜40万円程度と、全体矯正の60万〜100万円に比べて大幅に安く抑えられます。
治療範囲を前歯に限定することで、使用するマウスピースの枚数や通院回数が少なく済むためです。
経済的な負担を軽減しながら歯並びの改善を実現できる点が、前歯だけ矯正の大きなメリット。 分割払いを利用すれば、月々3,500円から治療できるケースもあり、無理なく始めやすいのも魅力です。
さらに、追加費用が発生しない明確な料金体系を提示するクリニックを選ぶことで、予算オーバーのリスクを避けながら安心して治療を進められます。
③目立たないため日常生活への影響が少ない
マウスピース矯正に使われる装置は透明な素材で作られているため、装着していても周囲に気づかれにくいのが特徴です。
特に営業職や接客業のように人と接する機会が多い方にとって、目立たずに歯並びを整えられる点は大きなメリット。
写真撮影や日常会話でも自然に見えるため、治療中のストレスを最小限に抑えながら続けることができます。
④奥歯を動かさないので痛みや違和感が少ない
前歯だけのマウスピース矯正は、奥歯を大きく動かさないため、全体矯正に比べて痛みや違和感が少ない傾向があります。
歯の移動量が小さい分、装着時の圧迫感や日常生活への負担も軽減。「矯正は痛そう」と不安を感じている方でも始めやすい治療方法といえるでしょう。
治療中に違和感が出ても数日で慣れるケースが多く、無理なく続けやすい点も魅力です。
⑤取り外しができて食事や歯磨きがしやすい
マウスピースは自分で簡単に取り外せるため、食事や歯磨きのときに制限がありません。
ワイヤー矯正のように「食べにくい」「磨きにくい」といった不便さが少なく、普段通りの生活を送りやすいのが特徴です。
矯正中でも食事を楽しみ、口腔内を清潔に保ちやすいことは大きなメリットといえます。虫歯や歯周病のリスクを抑えながら安心して治療を進められるでしょう。
前歯だけマウスピース矯正をする3つのデメリット

前歯だけのマウスピース矯正は、短期間・低コストで始めやすい一方で、注意すべきデメリットも存在します。
具体的には、「①適応症例が限られて治療できない場合がある」「②噛み合わせを根本的に改善できない」「③後戻りしやすい」といった点です。
これらを理解しておくことで、後悔のない治療選びにつながります。
①適応症例が限られるため治療できない場合がある
前歯だけのマウスピース矯正は、軽度の叢生やすきっ歯など限られた症例にしか適応できません。
中度以上の歯並びの乱れや、骨格が原因の出っ歯・受け口といったケースでは、部分矯正だけでは対応できず全体矯正が必要になります。
カウンセリングや精密検査の結果、想定より難しいと診断され全体矯正を提案されることも珍しくありません。 適応外となった場合に備え、部分矯正と全体矯正の両方に対応できるクリニックを選んでおくと安心です。
例えば、Oh my teethは前歯上下12本のBasicプランと広範囲の矯正であるProプランを同一クリニックで提供し、診断結果に応じて無理なく切り替えられる体制を取っています。
②噛み合わせを根本的に改善できない
前歯だけの矯正は、見える部分を優先して整えるため、奥歯の噛み合わせや顎の位置までは改善できません。
肩こりや顎関節症など、噛み合わせに起因する不調の解消を目的とする場合、部分矯正だけでは十分な効果が得られない可能性があります。
機能面も重視したい方は、はじめから全体矯正を選んだ方が遠回りを防げるでしょう。治療のゴールを「見た目重視」か「噛み合わせまで含めた改善」かで整理しておくことが大切です。
③後戻りしやすい
前歯は唇や舌の力を受けやすく、歯を支える骨も薄いため、動かしたあとに元の位置へ戻ろうとする傾向が強い部位です。
そのため、部分矯正は特に後戻りしやすい治療といえます。 治療後はリテーナー(保定装置)を適切に使用しないと、数ヶ月で歯並びが崩れるリスクも。
保定期間は治療期間と同程度、もしくはそれ以上が必要になる場合もあり、ルールを守ってリテーナーの装着を継続できるかが仕上がりを維持するポイントです。
また、Oh my teethでは追加費用なしでリテーナーを提供し、医療チームがLINEを通じて装着状況をフォロー。
後戻りを防ぐためのサポート体制が整っているかは、クリニック選びの重要な判断基準になります。
前歯のマウスピース矯正で失敗しないクリニック選びの基準

前歯だけのマウスピース矯正は、クリニックや担当医の経験値によって仕上がりや満足度が大きく変わります。症例数が豊富でサポート体制が整ったクリニックを選ぶことが、失敗を避ける最大のポイントです。
特に次の5つは、契約前に必ずチェックしておきましょう。
① 症例数や実績写真を公開しているか
② 精密検査による適応判定が丁寧か
③ 料金体系が明確で追加費用がないか
④ アクセスや通いやすさはどうか
⑤ 治療後のアフターフォロー体制があるか
基準① 症例数や実績写真を公開しているか
症例数や実績写真を公開しているかどうかは、クリニック選びで信頼性を判断する重要なポイントです。十分な症例が公開されていない場合、経験不足や成果に自信がない可能性も考えられます。
治療前後の写真とあわせて、治療期間や費用が明示されているかを必ず確認しましょう。
基準② 精密検査による適応判定が丁寧か
精密検査の丁寧さは、治療の安全性と仕上がりを左右する重要なポイントです。
レントゲンや口腔内3Dスキャンを使わずに視診だけで治療可否を判断するクリニックは要注意。歯根の向きや骨格を正しく把握しないと、治療後に噛み合わせのトラブルが起きるリスクが高まります。
例えば、Oh my teeth導入クリニックでは、初回に詳細な3Dスキャンを行い、そのデータをもとに歯科医師が適応を判定しています。検査内容と費用が事前に明確に提示されるかどうかも、信頼できるクリニックを見分ける基準の1つです。
基準③ 料金体系が明確で追加費用がないか
矯正の費用は「見積もり外の追加費用」が発生すると、当初の予算を大きく超えてしまうリスクがあります。
調整料・保定装置代・再診料などが都度加算される仕組みか、それとも総額制かを契約前に確認することが重要です。
契約書面で「追加費用の有無」を明記しているかは、信頼できるクリニックを見極める基準になります。
Oh my teethでは、追加費用が発生しないトータルフィー制度を採用しており、治療開始前に総額が確定します。料金の透明性が高いほど、安心して治療を進められるでしょう。
基準④ アクセスや通いやすさはどうか
矯正は数ヶ月から年単位で続く治療のため、通いやすさも大切な基準です。通院頻度が多いクリニックを選んでしまうと、仕事や学業との両立が難しくなることもあります。
自宅や職場からのアクセスの良さ、オンライン診療や配送サービスの有無を確認しておくことが重要です。
基準⑤アフターフォロー体制があるか
治療後の保定期間にアフターフォロー体制が整っているかは、仕上がりを長く維持するために欠かせない要素です。
リテーナーが破損したときの対応や、後戻りが起きた際の相談窓口が用意されていないと、トラブルが起きても自己判断になりかねません。
保定期間までしっかりサポートしてくれるかを契約前に確認することが大切です。
前歯だけマウスピース矯正を始める前に知っておきたい注意点

前歯だけのマウスピース矯正は、効率的で始めやすい一方、治療を始める前に理解しておきたい注意点もあります。
ここでは、始める前に知っておきたい注意点をみていきましょう。
矯正中は「痛みや装着時間へのセルフケア」を徹底する
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて痛みが少ないとされますが、装着直後は圧迫感や違和感が出やすいです。
一般的には2〜3日で慣れるため、柔らかい食事や鎮痛薬の活用で乗り切りましょう。
また、1日20時間以上の装着を守れないと治療が計画通りに進まず、期間が延びる原因となります。 治療中は「痛みのセルフケア」と「装着時間の徹底」が重要です。
日常生活では「装着ルールと食事・飲み物の管理」に注意する
マウスピース矯正は取り外し式ですが、装着ルールを守らないと効果が得られません。特に注意が必要なのが飲食時です。
水以外を飲むときや食事の際は必ず外し、歯磨きをしてから再装着する習慣を徹底しましょう。
色の濃い飲料をマウスピース装着中に飲むと着色の原因になるため要注意。外出時にはケースや洗浄液を持ち歩くと安心です。
治療後は「保定装置で後戻り防止」を忘れない
治療が完了しても、歯は元の位置に戻ろうとする性質があります。
そのため、保定装置(リテーナー)を一定期間しっかり使用することが、仕上がりを維持する最大のポイントです。
リテーナーの装着期間は、一般的に矯正治療にかかった期間と同じ程度が目安。
例えば、1年間マウスピース矯正を行った場合、その後1年間はリテーナーを装着するのが理想的です。
リテーナーは破損や変形が起きやすいので、定期的に状態を確認し、必要に応じて再作製を依頼しましょう。クリニックによっては追加費用が発生するため、事前に確認しておくことも大切です。
まとめ
前歯だけのマウスピース矯正は、軽度の症例に限れば短期間・低コストで見た目の改善を実感できる治療法です。ただし、適応範囲が限られることや噛み合わせの改善には不向きな点、後戻りのリスクがある点は理解しておく必要があります。
- 軽度の叢生やすきっ歯には有効
- 全体矯正より費用・期間を大幅に抑えられる
- 適応外や追加費用、後戻りのリスクに注意が必要
- 信頼できるクリニックを選ぶことが成功のポイント
自分の歯並びが部分矯正に適しているかどうかを確認するには、まずは専門家の診断を受けることが大切です。
Oh my teeth導入クリニックなら、約30分の無料診断で適応や治療期間、費用感まで把握できます。「前歯だけ整えたい」という気持ちを、そのままにせず一度相談してみましょう。
