インビザラインは目立ちにくい矯正として人気がありますが、すべての人におすすめできるわけではありません。実際に歯科医師が「インビザラインはおすすめしない」と判断するケースもあります。
この記事では、インビザラインをおすすめしない理由や、向かない人のチェックリストをわかりやすく整理しました。さらに、インビザライン以外の矯正方法や、費用・期間の比較表も紹介します。
「自分には本当にインビザラインが合うのか?」と迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインをおすすめしない7つの理由

インビザラインは目立ちにくく取り外しもできるため、多くの人に選ばれている矯正方法です。
ただし、どんな人にも適しているわけではありません。症例や生活習慣によっては、むしろワイヤー矯正など他の方法のほうが安心できるケースもあります。
ここでは、インビザラインをおすすめしない代表的な理由を7つ紹介します。
- 重度の歯並びや骨格の問題には効果が限定的
- 1日22時間装着という厳しい自己管理が必要
- 治療費が80〜120万円前後と高額になりやすい
- 2〜3年かかる長期治療のリスク
- マウスピース紛失・破損で追加費用がかかる可能性
- 飲食制限があり、日常生活に影響する
- 経験不足の医師では治療がうまくいかないこともある
1. 重度の歯並びや骨格の問題には効果が限定的
インビザラインは、軽度〜中度の歯並びの改善には効果的ですが、度の歯並びや骨格性のずれには対応が難しいことがあります。
特に大きく前に出た出っ歯や受け口など、骨格自体に問題がある場合は、マウスピースだけでは十分な改善が期待できません。こうしたケースでは、ワイヤー矯正や外科的矯正が必要になることもあります。
2. 1日22時間装着という厳しい自己管理が必要
インビザライン治療の成功には、1日22時間以上のマウスピース装着が必要です。食事や歯磨き以外の時間はほぼ常に装着する必要があり、自己管理が欠かせません。
装着時間が不足すると治療計画通りに歯が移動せず、治療期間の延長や追加費用が発生する原因となります。仕事や社会生活で頻繁に取り外しが必要な方には、なかなか続けにくい治療法です。
3. 治療費が80〜120万円前後と高額になりやすい
インビザラインの費用は、一般的に80〜120万円前後とされています。分割払いができる場合もありますが、総額は大きな負担になりやすいのが実情です。
さらに、途中で追加のアライナーが必要になったり、再治療が発生すると費用がかさむこともあります。費用面を重視する人にとっては、ハードルが高い矯正方法です。
3. 治療が2~3年以上に及ぶケースがある
インビザライン治療は通常2年から3年程度の期間がかかります。治療開始時の予想期間よりも長期化するケースも多く、モチベーションの維持が困難になる場合も。
特に装着時間の不足や歯の移動が計画通りに進まない場合、追加のマウスピース作成や治療計画の見直しが必要となり、さらに期間が延長される可能性があります。「あと少しで終わる」と思っていたのに、モチベーションを保つのが大変になる人も少なくありません。
4. マウスピース紛失・破損で追加費用がかかる可能性
インビザラインのアライナーは薄く透明なため、紛失や破損のリスクが高いです。外出先でなくしたり、洗浄時に壊してしまうケースも。
1つ作り直すのに数万円かかることもあり、繰り返すと大きな出費につながります。
5. 飲食制限があり、日常生活に影響する
マウスピース装着中は水以外の飲食ができないため、食事のたびに取り外しと装着を繰り返す必要があります。コーヒーやお茶も色素沈着の原因になるため基本NGです。
営業職など人との会食が多い職業の方や、頻繁に間食をする習慣がある方にとっては、生活スタイルの大幅な変更が必要となり、継続が困難になる可能性があります。
6. 経験不足の医師では治療がうまくいかないこともある
インビザラインは専門的な知識と経験が必要な治療ですが、すべての歯科医師が十分な経験を持っているわけではありません。
経験不足の医師が担当すると、適切な治療計画が立てられなかったり、進行管理が不十分だったりして、期待する結果が得られないこともあります。特に複雑な症例では矯正専門医による治療が望ましく、契約前に医師の資格や実績をしっかり確認することが大切です。
インビザラインをおすすめしない人の特徴

インビザラインが向いているかどうかは、歯並びの状態や生活スタイルによって大きく変わります。ここでは、特に注意が必要な人の特徴を整理しました。
「自分には合うのかな?」と迷っている方は、以下の項目に当てはまらないか確認してみてください。
- 骨格的な出っ歯や受け口がある人
- 複数本の抜歯を伴う大幅な歯の移動が必要
- 重度の歯周病や歯根が短い症例
- 自己管理が難しい生活スタイル
骨格的な出っ歯や受け口がある人
上下の顎骨そのものに問題がある場合、インビザライン単独では対応できないことが多いです。
たとえば下顎前突(受け口)や上顎前突(出っ歯)が骨格的な理由で起きている場合、歯の移動だけでの改善は困難です。
このようなケースでは、外科的矯正治療やワイヤー矯正との併用が必要になることもあります。治療前の精密検査で、骨格的な問題の有無をしっかり確認することが欠かせません。
抜歯を伴うような大きな歯の移動が必要な人
重度の叢生(歯が重なり合っている状態)や前歯の突出が強い場合、複数本の抜歯と大きな歯の移動が必要になります。
しかしインビザラインは、歯を引っ張る力の強さや方向に限界があるため、大きな移動距離を伴う症例では効果が限定的です。
特に犬歯の移動や歯根の平行移動が必要なケースでは、ワイヤー矯正の方が結果を出せる場合が多いといえます。
重度の歯周病や歯根が短い人
歯周病が進行している方や、先天的に歯根が短い方は注意が必要です。歯の移動によって歯周組織に大きな負担がかかり、状態を悪化させる恐れがあります。
歯周病治療を優先し、改善を確認したうえで矯正に進むのが安全です。また、歯根吸収のリスクが高い症例では、より細かい力のコントロールが可能なワイヤー矯正の方が適していることもあります。
装着や清掃の自己管理が難しい生活スタイル
インビザラインは、患者さん自身の自己管理に大きく左右される治療法です。1日22時間以上の装着、定期的な交換、清掃の徹底ができなければ、計画通りに進みません。
出張が多い職業や、生活リズムが不規則な方、過去に治療の継続が難しかった経験がある方は、自己管理の負担が少ない治療法を検討する方が安心です。
インビザラインをおすすめしない人に向いている他の矯正方法

「インビザラインをおすすめしない」と診断された場合でも、矯正をあきらめる必要はありません。症例や希望に応じて、他の矯正方法を選ぶことで理想の歯並びを目指すことができます。
ここでは、インビザラインをおすすめしない人に適している代表的な矯正方法を紹介します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、幅広い症例に対応できるもっともスタンダードな方法です。
重度の歯並びや骨格的な出っ歯・受け口など、インビザラインでは難しい症例でも治療できるのが大きな強み。
歯を細かくコントロールできるため、確実な効果を重視する人に適しています。見た目の目立ちやすさはデメリットですが、最近では透明や白いブラケットを使った目立ちにくいタイプも増えています。
他のマウスピース矯正
インビザライン以外にも、より手頃な価格帯で受けられるマウスピース矯正サービスがあります。前歯だけに特化した部分矯正なら、治療期間が短く、費用もインビザラインに比べて大幅に抑えられるのがメリットです。通院回数を少なくできるサービスもあり、忙しい方でも続けやすいのが特徴。
Oh my teethのような、事前に料金が確定するトータルフィー制度や、LINEでの24時間サポートを取り入れているサービスなら、費用面だけでなく安心感も得られます。
外科的矯正
顎の骨格に大きな問題がある場合は、外科手術を組み合わせた矯正が必要になることもあります。骨格そのものを改善できるため、受け口や顎のずれが強いケースでも根本的な改善が可能です。
ただし身体的・精神的な負担は大きく、治療期間も長くなるため、経験豊富な医師のもとで検討することが欠かせません。
インビザラインと他の矯正方法の費用・期間を比較

矯正を選ぶときに気になるのが「費用」と「治療期間」です。ここでは、インビザラインと他の矯正方法を並べて比較してみましょう。
| 治療法 | 費用目安 | 治療期間 | 通院頻度 | 向いている症例 |
| インビザライン | 80万〜120万円 | 6カ月〜3年程度 | 月1回 | 軽度〜中度の歯並び |
| ワイヤー矯正 | 60万〜100万円 | 1.5〜2.5年程度 | 月1回 | 幅広い症例 |
| 他のマウスピース矯正 | 33万~66万円 | 3〜12か月程度 | 通院ほぼ不要 | 軽度〜中度の歯並び |
インビザラインは対応できる症例が幅広い反面、費用や治療期間の負担が大きい傾向があります。
ワイヤー矯正は見た目のデメリットはあるものの、複雑な歯並びまで治せる安心感が強みです。さらに、部分的なマウスピース矯正なら、短期間かつ費用を抑えて前歯の見た目を整えたい人に向いています。
まとめ|インビザラインをおすすめしないケースを理解して最適な方法を選ぼう
インビザラインは目立ちにくいという大きな魅力がある一方で、重度の歯並びや骨格的な問題、自己管理が難しい場合にはおすすめできないことがあります。
そんなときでも、ワイヤー矯正や他のマウスピース矯正といった選択肢があり、状況に合わせて自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
「自分にはどの矯正方法が合うのだろう?」と迷う方は、まずOh my teeth導入クリニックの無料診断を利用してみてください。
インビザラインを含め、あなたの症例に最適な方法を歯科医師が診断してくれるので、納得したうえで治療を始めやすくなります。
